読み物
金融日本経済新聞 シニアライター 宮田佳幸「円相場と海外資産投資」

高市早苗政権の発足から現在まで、為替相場はやや不安定な動きが続いています。高市政権が「責任ある積極財政」を打ち出し、2月8日投開票の衆院選で与党が「2年間限定で食品の消費税率をゼロにすることを検討する」と公約に掲げたことで、財政悪化への懸念が広がり一時は円安が進みましたが、衆院選で与党が圧勝すると
今度は円高に振れています。
今後の円相場がどうなるかはわかりません。円高傾向になるかもしれないし、再び円安が加速するかもしれません。仮にもっと円安になれば、インフレもさらに進みます。インフレでモノの値段が上昇するということは、お金、つまり日本円の価値が実質的に低下するということです。多くの日本人は給与を円で受け取っていますし、年金も円で受け取ります。円安リスクに備えるなら、金融資産をすべて円建ての銀行預金で持っているよりも、一定割合を海外資産に振り向けたほうがよいといえます。
日本の公的年金資産を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、基本的に日本株式、日本債券(国債など)、外国株式、外国債券に4分の1ずつ投資する方針をとっています。この資産配分割合を参考にしてもいいでしょう。株式は値動きが大きく、一時的に元本割れするリスクもそれなりにありますから「そんなに大きなリスクを取りたくない」という人なら、株式の割合を減らしてももちろん構いません。
お金の専門家であるファイナンシャルプランナーの中には「個人の場合、外国債券への投資はゼロでも構わない」という意見の方もいらっしゃいます。短期でもある程度の運用成績を求められる機関投資家と違って、長期運用が基本になる個人投資家は短期的な株価の下落なら許容できるからです。金融資産のうち、生活防衛資金として生活費の1年分程度のお金を銀行預金で用意したうえで、残りの3割程度を世界全体の株価指数(インデックス)に連動する投資信託で運用し、あとは個人向け国債で持っておく、といった方法も一案です。







