遺贈の活用事例

　日本の性教育は先進国の中で遅れているといわれ、正しい性知識がないばかりに梅毒など性感染症になったり、予期せぬ妊娠をしたりする若者が多くいます。そこで、避妊方法を学べるように避妊用品の見本と、避妊法や性感染症、相談先などを掲載した冊子を詰め合わせた啓発キット「ポケット避妊教室」を中学・高校の保健室などへ提供しました。同時に、若者が気軽に相談できる場づくりのために養護教諭ら向けにオンライン研修を実施しました。
　主催団体のNPO法人ピルコンは2013年からこれまでに、2万人以上の中高生～大学生への性教育機会の提供のほか、1200人以上の保護者・PTA向けに性教育の講演を行ってきました。今回の事業ではキット1千個を配布、400人を対象とした研修を実施しました。水野久榮様ほか 1名様からの遺贈寄付が活かされています。水野様は「日本の子どもの未来のために活用してほしい」という思いを表明されていました。
　キットを実際に使った方からは「話しにくいテーマだが実物に近いものを手にするとどんどん意見が出た」「保健室に置いておくだけで、自然と生徒が見て箱を開けて興味津々に触ったりしています」などの声が寄せられているそうです。