遺贈の活用事例
日本財団 夢の奨学金
社会的養護施設で暮らした若者たちの進学に対する給付型奨学金事業です。
社会的養護で暮らした経験のある若者の高等教育への進学率は全体平均よりも低く、中退率も高いという現実があります。経済的理由やサポートする大人が身近にいないことがその原因だといわれます。
そこで、専門学校や大学の入学金、卒業までの授業料全額、生活費、住居費などを給付するだけでなく、ソーシャルワーカーが進学や就職をサポートする伴走型支援をすることで孤立を防ぐのが本事業の目的です。一般的な奨学金と異なり、社会人でも利用できるのも特徴です。 2022年度は5人の方々からの遺贈寄付と相続財産寄付を活用しました。それぞれに子どもの未来への思いを託されています。
奨学金を受けた学生たちによる報告会が毎年開かれています。「コロナ禍ではアルバイトも思うようにできませんでしたが、奨学金があったおかげで歯科衛生士の専門学校を卒業して就職できました」という報告や、大学に通う中で「人に頼る、失敗してもよい」と思えるようになったという声もありました。
事業は2016年からスタートして現在30人(2023年3月時点)が奨学生として在籍しています。若者が不当に未来を閉ざされることのないよう、意思あるご寄付が希望になっています。今年度は昨年事業実施を決定した片方善治基金と児玉せつ子様(故人)の相続財産寄付を活用させていただきました。