遺贈の活用事例
海外の教育支援ミャンマーにおける遊具寄贈事業

子どもたちの健康習慣、教育環境の向上のために
小学生の頃の楽しみの一つは、校庭の遊具だったという方も多いのではないでしょうか。休み時間に奪い合うようにして遊んだジャングルジムや雲梯...。ミャンマーの小中学校に、そんなスポーツ遊具を贈りました。
日本財団はミャンマーで1976年からさまざまな支援を続けています。タイ、中国、ラオスの3か国と国境を接するシャン州では2002年から、デルタ地域のエーヤワディ地方では13年から学校建設と運営の支援を始めています。
今回、この2つの地域の小中学校に、滑り台やブランコ、シーソーなど6種類のスポーツ遊具を贈りました。子どもたちの健康習慣・教育環境の向上に寄与することが目的です。以前、別の地域で遊具を寄贈したところ、生徒が遊具で遊ぶために早く登校するようになった、健康になったという声が寄せられましたので、今回もいい影響が出ると考えています。
この事業には、元吉以都子様と元吉史昭様の姉弟からそれぞれに寄せられた相続財産寄付と、山田郷子様からの寄付を活用させていただきました。元吉さんの亡くなったお父様が小児科医だったことから、海外の学校もしくは医療の支援に活用してほしいという指定がお二人からはありました。
シャン州では41校に設置を終え、21年度にあと30校を予定しています。エーヤワディでは15校に贈りました。都会と違いますから、遊具が設置されると、まるで遊園地ができたようだと、子どもばかりか村の大人たちも大変、喜んでいます。設置にあたり、各村で遊具設置委員会を組織してもらい、設置の手伝いのほか、メンテナンスや安全管理について学んでもらいました。自分たちの財産として大切に、安全に楽しんでもらいたいからです。
「児童に毎日を楽しんで、身体的にも精神面でも健康でいてもらい、毎日の学習をよりよいものにしてもらいたいと思っています。また、クラスメートと遊ぶことで、お互いを助け合うチームワークも学んでほしいと期待しています」「学校の財産の価値を知ってもらい、それを大切にしてほしいと思っています」設置した学校からは、そんな声が寄せられています。
実はエーヤワディでは当初、13校への寄贈を予定していましたが、金銭を一部負担してもいいからぜひ設置をと手を挙げた学校がありましたので1校を追加。さらに、設置を請け負った地元の会社から協力の申し出があり、無償で1校を追加できました。それだけ意義ある活動と地元で受け止められているのです。
シャン州の遊具には「Dr.Motoyoshi」からの寄贈と表示したプレートが付けられています。遊具を中心に、多くの笑い声が校庭に響いています。