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日本経済新聞編集委員 宮内禎一「来月開幕の大阪・関西万博 見どころを具体的に解説」

「来月開幕の大阪・関西万博 見どころを具体的に解説」

 4月13日の大阪・関西万博開幕まであと1カ月あまりとなり、パビリオンでの展示やイベントの具体的な内容が明らかになってきた。項目別に見どころを紹介する。

 まずは建築物。1周約2キロメートルもある世界最大級の木造建築物「大屋根リング」は初めて見ると、大きさに驚くことだろう。京都・清水寺の舞台と同様の、伝統的な「貫(ぬき)工法」で建てられている。

 リングの上部は歩くことができ、各国や企業が建設したパビリオンを上から一望できる。晴れた日であれば瀬戸内海に沈む夕日を芝生に寝転びながら見られるはずだ。

 パビリオンもユニークな形が多い。資金が豊富な中東の国々は立派な建物が目立つ。サウジアラビア館は曲がりくねった路地で中東の街の雰囲気を味わえる。中国館は巨大な「竹簡」がモチーフ。ボヘミアンガラスで有名なチェコのパビリオンはガラスのらせん構造が特徴で、それぞれのお国柄が表現されている。

 映画監督、河瀬直美さんのパビリオンは木造校舎を移築したもの。外壁に真っ赤な西陣織を使った飯田グループのパビリオンも異彩を放つ。

 次に展示でお薦めはイタリア館。天球儀を肩に担いだ姿で有名な大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」を日本初公開する。パソナ館にはiPS細胞から作った「動く心臓」の小さなモデルが展示される。ロボット工学者、石黒浩氏のパビリオンでは約30体のロボットやアンドロイドが活躍し、未来の社会を垣間見られる。

 大阪府・市などが出展する大阪ヘルスケアパビリオンでは身体データを計測後に25年後の自分の姿をアバター(分身)として見られる。日本館では日本の南極観測隊が南極で採取した火星の隕石を「火星の石」として披露する。「空飛ぶクルマ」も実証実験として飛行する姿が披露される。

 イベントも万博の大きな魅力だ。各国が日替わりで行うナショナルデーにはそれぞれの国の自慢の文化や音楽などのショーが開かれる。例えばオーストリアは5月23日にウィーン少年合唱団のコンサートを予定している。韓国も5月13日のナショナルデーに、K-POPのコンサートを開くのではと噂されている。

 4月13日の開幕日には人気歌手Adoさんのコンサートが開かれる予定。ウォータープラザでは毎晩、「アオと夜の虹のパレード」というショーが開かれる。イベントの予定を確認して来場日を決めてもいいかもしれない。

 あわせて楽しみなのは各国の郷土料理。大きなパビリオンはレストランを併設している。シンガポールはチキンライスやラクサなどを予定。スイスは人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」の名前を冠する「ハイジカフェ」でパンケーキなどを提供する。世界最長135メートルの回転ベルトを備えたくら寿司の店舗や地元大阪のお好み焼き・たこ焼きなど、日本料理も万博風にアレンジして提供される。

  万博会場をじっくり見学するなら3~4日はかかると言われるが、それほど時間が取れない場合は日本国際博覧会協会のホームページなどであらかじめ目星をつけて訪問するのがよい。公式ガイドブックは3月19日に全国で発売される予定だ。             

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