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日本経済新聞編集委員 山口 聡「こんなときだからこそ、助け合いたい」

「こんなときだからこそ、助け合いたい」

 新型コロナウイルスの感染者が増え続けている。いまのところ(2020年4月中旬)、有効な薬もワクチンもなく、感染拡大を防ぐには人と人との接触を減らすしかない。そのためお店が閉まるなど様々な経済活動も休止しつつある。

 そうなると収入が減り、生活に行き詰まる人が出てくる。「コロナで死ななくても、お金がなくて死んでしまう」との悲鳴が聞こえる。人の苦境だけでは済まない。ドイツの動物園では、休園で収入がなくなったことから、最悪の場合は飼育している動物を殺処分し、別の動物の餌にすることも検討するとのニュースが流れた。

 感染者を救うための医療現場は人も物資も足りず、疲弊している。介護や保育、宅配、食品販売など休みたくても休めない仕事もある。日本中で、世界中で「助けて」という叫びがこだまする。

 絶望的な気分になりそうだ。でもここは冷静でいたい。感染者は全人口からすればまだごく一部で、生活が困窮する人も大勢ではないだろう。政府に任せるだけでなく、多くの人に「何かできること」があるはずだ。

 もちろん、感染を防ぐために人との接触を減らすのは「できること」の1番目だが、それ以外に「できること」を始めている人がいる。医療現場でマスクも防護服も足りないとのSOSに対し、家にあるマスクや雨ガッパの寄贈が相次いでいる。困っている人や子供たちを助けるための寄付、クラウドファンディングなども増えているようだ。絶望が世界を覆ったりはしていない。

 このサイトの記事をご覧になっているような人は、社会貢献や助け合いに日ごろから関心のある人ではないかと思う。自らの今後を踏まえ、じっくり社会に役立つ方法を考えようとされている人かもしれない。そんな人たちにやぼを承知で申し上げるなら、今はそんな想いを実現に移す一つの機会であることは間違いない。

 困っているところがあまりにも多過ぎすて、まず何をすべきか途方に暮れそうにもなるのだけど、以前取材したホームレス支援団体の代表は「まずは目の前のことから」と話していた。身近なところ、自分の関心のある分野からでよいのだ。

 我が家にも使っていない雨ガッパや高機能マスクが少しだけどあった。さっそく家人が近所の病院に連絡し持参した。とてもとても感謝された。

 政府は今回、経済対策として日本で暮らす人に1人当たり10万円を一律に支給するという。困っていない人は受け取らなければいいのだが、受け取って支援したいところに寄付するという手もありそうだ。

日本財団が提唱する、遺贈という名の選択

 困っている人がいたら、その人を「助けたい」と思うのは人として自然なことですね。今このようにあらゆる人々が難局にあるとき、相互扶助で互いに支えあい助け合うことが必要です。日本にも古くから相互扶助の考え方がありました。農村を中心としたコミュニティには、田植えや刈り取りの時期には、「今日はあそこの家が田植えだから」、「明日はこちらの家で刈り取りだから」と互いに助け合い、困難な状況を乗り越えてきました。このたびの新型コロナウィルス感染も一つの災害と言えますが、社会課題の一つとして相互に助けあい支えあうことが必要です。
 日本財団遺贈寄付サポートセンターでは、将来の社会課題の解決のために、遺言書で自分の財産を社会貢献のために使いたいという方のご相談をお受けしています。財産の遺し方を遺言書に記し、安心して余生を過ごしたいとお考えの方は、どうぞご相談ください。

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