読み物

  • トップ
  • 読み物
  • 「知らない事で払い過ぎてる?医療・介護にまつわるお金の話」

訪問看護師・ケアマネジャー 藤澤 一馬「知らない事で払い過ぎてる?医療・介護にまつわるお金の話」

「知らない事で払い過ぎてる?医療・介護にまつわるお金の話」

 病気や加齢によって体に不調が出た際には、病院やクリニックに受診をして治療を受ける。通院ができる人はこの流れが当たり前だが、通院ができない人はどうするだろうか。今や医療・福祉のほとんどが「訪問」のスタイルを取っており、自宅で完結することが多くなっている。

 私の行っている「訪問看護」もそのスタイルの一つで、自宅に看護師が訪問し、病院と同じ医療・介護を提供している。訪問看護は医療・介護の両方を提供するため、健康保険・介護保険の両方を利用できる。とは言っても医師が診断した診断名によって異なるため、自由に選べる訳ではない事には注意したい。※1

 さて、在宅医療・介護では健康保険法や介護保険法のみならず、難病法、障害者総合支援法、生活保護法など数多くの法律が関わっている。これらが単体、複数に渡って利用されるケースがあり、関わりのない看護師からすると目を背けたくなる活字だ。しかし使い方によっては、医療や介護を受ける方の負担を軽減できるため、知っておく必要性は高いと言える。

 例えば、肺炎によって入院をしてしまい、退院する際に在宅酸素が導入されることとなった。訪問診療と訪問看護を導入し退院する場合、あえて介護保険を申請しない方が良いケースがある。 ・70歳以上で1割負担の高額療養費上限が18,000円の場合 訪問診療2回/月(約12,000円)+在宅酸素(約7,000円)=19,000円 高額療養費の上限を超えているため、介護保険を申請していなければ訪問看護は実質無料。※2
もし介護保険を申請していた場合、高額療養費に加え居宅管理指導料(約1,000円)+訪問看護4回/月(約2,500円)の費用が追加されるのだ。※3

 在宅医療・介護が必要になる時は、多くの場合困り事が生じ、慌てていることがある。しかし、病院の相談員・ケアマネ・看護師など専門職者は金銭的な知識が少なく、社会保険労務士やFPなどは医療・介護的な知識が少ない。私が先日相談を受けた方は、自宅に帰るために公的保険に加え60万円程度の自費でサービス介入させなければいけなかった。コーディネートによって、最終的には自費がほぼ出ない程度に調整が行えた。

 サービスを受ける場合には費用が生じ、医療・介護など生命や生活に関係する物であっても例外ではない。また短期的なサービスではないため、長期的なプランを検討し調整するためにも、横断的な知識が必要不可欠である。医療・介護に携わるすべての専門職には、サービスを受ける方の費用負担まで踏み込み、調整をしてもらいたいと願う。

※1 訪問看護は原則介護保険が優先で、介護保険非該当や未申請又は医師の診断名によって健康保険が優先される。
※2 高額療養費は1医療機関あたりの上限であるため、各医療機関に上限まで支払う必要がある。
※3 訪問介護や介護用ベットを利用するには介護保険の申請が必要なため、状況によって申請も必要である。

日本財団が提唱する、遺贈という名の選択

誰でも今後避けては通れない医療・介護・資金負担。お元気なうちに制度を確認しておくのもよいと思います。日本財団遺贈寄付サポートセンターでは、遺言書で財産を社会貢献のために使いたいと考える方のご相談をお受けしています。ホームページ、お電話でお気軽にお問い合わせください。

遺贈について詳しく知る

未来への贈り物、遺贈未来への贈り物、遺贈
受付時間 9:00-17:00 0120-331-531
  • 資料請求
  • お問合せ