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日本経済新聞 編集委員 兼 マネー・エディター 山本由里 「ふるさと納税をあきらめない」

「ふるさと納税をあきらめない」

 Time flies。今年も残すところわずかになりました。あんなこと、こんなことやり残したことも多い中、忘れてならないのが「ふるさと納税」です。「納税」といいつつ実際は寄付で、「ふるさと」と名乗りながら寄付先はふるさとでなくてもいい――。全く名は体を表さない制度ですが、家計の味方であることに違いありません。

 「2000円で地方の特産品がもらえる」とザックリ理解している人も多いかもしれませんが、自分が来年納税する住民税の支払い先を変える行為です。収入や扶養する家族の状況で変わる上限額までは、自己負担2000円で自由に移動させることができます。

  どうせ支払う住民税が「原資」なので、2000円以上お財布を痛めることなくバラエティー豊かな返礼品を楽しめます。返礼品は寄付額の3割以内に抑える決まりなので、10万円の寄付なら3万円相当の品。2000円の出費で3万円分の特産品がもらえる……お得です。

  認知度は相当高まったふるさと納税ですが、実行となるとまだの人も結構いるのではないでしょうか? 総務省の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると2022年度に住民税の控除を受けた人は741万人でした。

  年々増えて過去最高ではありますが、住民税を支払う人の数、約6000万人からするとまだ1割ちょっと。残りの9割近い人は住民税の移動をしていないことになります。世間の認知度からはギャップがありますよね。

  特産品をもらった時点で自己完結して必要な手続きを怠っている方、いませんか? またシニアの中には「年金しか収入がないから」と自分とは無関係と思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。一定の住民税の所得割を払っていれば年金暮らしでも活用できます。

  今からでも遅くありません。直接自治体に寄付してもいいですが、やはり便利なのはふるさと納税のポータルサイト経由です。クレジットカードのネット決済の場合、極端な話1月1日に日付が変わる直前までに決済できれば滑り込みセーフです。

 「駆け込み」は通常あまり褒められた行為ではありませんが、ことふるさと納税の場合、駆け込みにならざるを得ない事情もあります。今年の稼ぎが確定しない限り、ふるさと納税の原資=来年6月以降支払う住民税、も正確には分からないからです。

  自分が移せる上限額を超えた分は純然たる寄付になります。結果として「高くついたホタテ」や「高くついた牛肉」に……。その点、年内に会社から源泉徴収票をもらえる人はそれを片手に作業をすると間違いがありません。12月の給与明細と一緒にもらうケースが多いので25日や15日あたりでしょうか。

  その際、同じ「年末駆け込み」仲間である医療費控除を使う人は要注意です。家族全体の医療費が10万円(もしくは所得の5%)超にかさんだ場合、その部分にかかる税金を戻してくれる有り難い制度ですが、併用するとふるさと納税に回せる予算は少なくなります。源泉徴収票には載っていないので自分で計算が必要。ポータルサイトのシミュレーション機能を使うと便利です。

  医療費控除を受けるには確定申告をする必要があります。ふるさと納税についても同時に忘れずに申告しましょう。申告の必要のない人は「ワンストップ特例」が使えます。寄付先が5自治体以内であればお知らせするだけで必要な控除手続きが完結します。最近はいちいち郵送せずに便利なオンライン手続きも可能になっています。

 さぁ!お得をあきらめず年内に一作業してみましょう。

日本財団が提唱する、遺贈という名の選択

「ふるさと納税」この時期よく話題になるホットなテーマです。住民税の控除が受けることができ、また、ふるさとからの返礼品が楽しみです。身近に社会貢献ができて検討したいと思います。 日本財団遺贈寄付サポートセンターでは、ご自身の大切な財産を遺言書で社会貢献のために使いたいというお考えの方のご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。


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