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老後FP オフィス・ミラボ 代表 京極 佐和野「いつまでも元気でいるために睡眠の質や量を整えよう。」
年齢とともに体力が落ち、老眼や白髪が増えるように、睡眠の質や量も変わってくるのが普通です。尿意やちょっとした物音で何度も目が覚めたり、若い時に比べて早起きになったと感じる方も少なくないでしょう。
これは、加齢により、睡眠が浅くなり生体機能リズムが前倒しになることによるものでそれ自体病気ではありません。 睡眠は、脳を休ませる深い睡眠(ノンレム睡眠)と脳は働いていて体だけを休ませる浅い睡眠(レム睡眠)が交互に現れながら約90分の周期で繰り返されます。ところが、高齢者になると深い睡眠が減って浅い睡眠が増えるようになります。 また、体内時計の変化によって、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。
病気ではないといっても、睡眠が足りていない状況が続くと、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など、さまざまな疾病の発症リスクを高めることが明らかになっていますので、睡眠が足りているかどうかは気になりますね。
良質な睡眠がとれたかは、起床してから4時間後の覚醒度でチェックします。起床4時間後の時点は、本来、もっとも覚醒度が高い時間ですので、その時間に眠いようであれば、やはり睡眠の質が悪いかあるいは量が足りていないと言えるでしょう。
もし、睡眠が足りていないと感じたら、以下を参考に生活習慣を見直しましょう。
1. 起きる時間(寝る時間ではなく)を決め、体内リズムを整える
2. 昼寝は15時までに30分以内、夕方以降のうたた寝はしない
3. 夕方以降の暴飲暴食、カフェイン飲料、喫煙を避ける
4. 最低1日6時間は睡眠時間を確保する
5. 横向きで寝ると、いびきをかかずに熟睡できる
6. 熱いお湯ではなく、38度~40度のぬるま湯で10分以内の半身浴を心がける
7. 3度の食事と運動習慣は規則正しく行う
睡眠時間を8時間とすると1日の3分の1の時間、つまり人生の3分の1の時間を「睡眠」に費やします。さらに睡眠は「脳や身体の疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の定着」「脳の老廃物の除去」など、さまざまな重要な役割を担っています。良い睡眠を心がけ、生き生きとした毎日を過ごしましょう!