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地域社会株式会社コミヤ保険サービス 代表 小宮崇之「火災保険は保険料の値上げだけではない?築古物件の引き受けが厳しくなっている」
令和5年6月に火災保険料の基準となる「参考純率」を全国平均で13%引き上げると損害保険料率算出機構が発表しました。改定の理由は、自然災害の増加による保険金の支払いが増えているからです。昨年も台風14号や15号、雹災などの被害がありました。
自然災害による被害が増えた背景には、住宅の老朽化という問題もあります。建物は一般的には古い方が災害の被害を受けやすいと言われています。そうした問題に対して、損害保険ジャパンでは、2023年7月から築40年以上の住宅物件の新規契約(更改は除く)について、全件保険会社に申請をし、審査を受けて、それをクリアしないと契約が出来なくなりました。以前は、保険代理店単位で築年数に関わらず契約をすることができたのですが、あまりにも火災保険の請求が多くなっていることから、このような異例の対策をしているのです。
火災保険の補償内容について、知られていない人も多いのでここで少し説明をします。火災保険は火災だけではなく、様々な自然災害に対する補償があります。風災(台風)や水災にも対応できます。ただし水災は、契約条件によっては補償されないこともあるので注意しましょう。また、地震による火災や水災は対象外になります。事故の原因が地震の場合は、全て地震保険になるからです。
他には、漏水の補償もあります。マンションなどで、上の階から漏水の被害を受けた際にも火災保険が使えます。さらに盗難の補償もついておりますので、家財に対しても火災保険に入っていることが前提ですが、家財が盗難された場合にも使えます。
火災保険は皆さまが思っている以上に幅広い範囲で補償が出来るので、一度自分自身の加入している火災保険の補償内容について確認してみてはいかがでしょうか。