読み物
相続CFP/1級FP技能士 佐々木 祐子「はなむけ」
桜の開花前線と花粉症が気になる頃、世間では、卒業、入学、就職という人生イベント目白押しです。
個人的には、直接そうした人生イベントにかかわっていなくても、うららかな空気とともに何とも言い難い
そわそわした気分となります。生き物の本能として、芽吹く季節であることも少なからず影響しているため
でしょうか。
寒中に受験期を乗り越え、春を迎えた皆様には、「お疲れさまでした。」そして新しい門出に心よりお祝い申し上げます。
さて、周囲の方々にとっても感慨深い春ですが、“お祝い”について、少し気に留めておきたいことについて
呟(つぶや)きたいと思います。
“お祝い”としての金一封は、ご承知の通り課税対象外ですが、(基礎控除110万円を超える)まとまった
金融資産を贈与する場合には、受贈者の年齢によって特別な非課税措置(※1)を受けられる可能性があります。昨年令和4年4月より成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、これまで20歳になってからの適用となっていた非課税措置を18歳から受けられるようになりました。
詳しくは、国税庁のホームページ【(https://www.nta.go.jp/)→「刊行物等」→「パンフレット・手引」→
「相続税・贈与税関係」→「贈与税のあらまし」項目にあるパンフレット『暮らしの税情報』】をご覧いただき、お役立てください。とても分かりやすくまとまっています。
贈与税は、個人から個人への贈与により財産を取得した人が、その時点における時価を課税価格として課される税ですが、平成15年(2003年)の税制改正以来、相続税とのかかわりが深くなってきています。
相続税は、亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した人が、その財産の合計額が基礎控除額を超える場合に課される税ですが、亡くなる前(※2)に贈与を受けていた場合、贈与財産も相続財産として相続税の計算対象となり、すでに支払った贈与税との精算を行います。
今後も贈与税と相続税は共にかかわり合いを強める方向で、改正が進められることと思いますので、自己の関心事として、積極的に情報を集めるよう心掛けてまいりましょう。将来に備えて大事なことと考えます。
新しい環境への旅立ちは、不安と期待でいっぱいです。温かい「はなむけ」は、何よりの活力の源となることでしょう。皆々様にとって笑顔あふれる春でありますよう祈念しています。
※1:令和5年度税制改正(※3)により、下記の通り見直しが予定されています。
■教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
令和5年3月31日までの適用 → 適用期限が3年延長
■結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
令和5年3月31日までの適用 → 適用期限が2年延長
※2:令和5年度税制改正(※3)により、下記の通り見直しが予定されています。
■贈与税(暦年課税)分の相続税対象期間
相続前3年間に受けた贈与分 → 相続前7年間に受けた贈与分に延長
※3 出典:「『令和5年度税制改正(案)のポイント』(令和5年2月)」(財務省)
(https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian23.html)を加工して作成
日本財団が提唱する、遺贈という名の選択
寒暖の差はありますが、すっかり春らしい陽気になってきました。健康管理には気を付けて笑顔あふれる日々を過ごせたらよいですね。
日本財団遺贈寄付サポートセンターでは、亡くなった時の財産を社会貢献活動に役立てたいというお気持ちを叶えるためのご相談をお受けしております。ご相談は無料です。 お気軽にご相談ください。