読み物

日本経済新聞編集委員 辻本 浩子聞くは恥だが役に立つ

聞くは恥だが役に立つ

 たとえ雑談が苦手な人でも、いまは何の心配もないだろう。「ワクチンの接種予約」。この話題なら、だれもが当事者だ。いくらでも話し足りない、という人も多いのではないだろうか。
 電話がつながらない、ネットもつながらない、朝から近くの診療所で予約を求めて行列ができた......。いま全国で、多くの混乱が起きている。
 パソコンが苦手の、都内の夫婦宅。在宅介護をしており、そうそう電話ばかりしていられない。つながったときには、受け付けは終了していたという。
 ネットが得意でも、安泰とは限らない。アクセスの集中とともに不安要素となるのが、ブラウザの問題だ。「インターネット・エクスプローラー(IE)」や「マクロソフト・エッジ」「グーグル・クローム」などがあるが、今回、多くの自治体がIEを推奨外にしている。複数のブラウザを使ってみたらなんとかなった、という話もよく聞く。

 光明となるのは、次々と対策も打ち出されていることだ。これだけの規模のワクチン予約は、だれにとっても初めてのこと。カバーする動きが急ピッチで進んでいる。
 ネットに慣れない人に代わり、予約の代行を始めた自治体は多い。高齢者宅に電話をかけ、支援が必要かなどを尋ねる活動を始めるという自治体もある。民生委員や町内会のメンバーら、地域に密着したマンパワーによる助け合いも起きている。
 接種会場まで当日、ちゃんと行けるか。そう不安な人もいるだろう。介護保険で要介護の認定を受けている場合、訪問介護のサービスとして一緒に行ってもらうことが制度上、可能だ。ケアマネジャーに相談するといいだろう。数は少ないが、タクシー代を補助する自治体もある。

 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という。新しい対策が相次ぐいまは、情報力が大きな武器になる。このサイトを見ている方は、ネットになれた方々だろう。ネットはもちろん、どんどん情報を吸収したい。それこそ地域の雑談でもいい(電話や、感染防止策をとりつつ、ですが)。

 「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマがあった。「聞くは恥だが役に立つ」のだ。なにかのときに聞ける人、頼れる人が増えていく。そんなきっかけになるかもしれない。

日本財団が提唱する、遺贈という名の選択

 日本財団遺贈寄付サポートセンターは、遺産を社会に役立てたいとお考えの方のご相談をお受けしております。ご相談は無料です。新型コロナをきっかけに、より有効な財産の遺し方について検討する方が増えています。お気軽にご相談ください。

遺贈について詳しく知る

未来への贈り物、遺贈未来への贈り物、遺贈
受付時間 9:00-17:00 0120-331-531
  • 資料請求
  • お問合せ