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立教大学社会デザイン研究所 星野 哲終活万華鏡 -10 -

終活万華鏡 -10 -

 生前契約をご存知でしょうか? エンディングサポートとか、身元保証等高齢者サポート事業などと呼ばれることもあります。要は、生前から死後までをさまざまな形で支える事業です。
 生前であれば、施設入居や入院のさいの身元保証(保証人がいないことを理由に入院を拒んではならないと国は再三通達を出していますが、現状はなかなか改善されません。問題ですが、この稿ではこれ以上触れません)や、「見守り」、認知症に備えての任意後見契約などを請け負います。
 死後は行政などへの諸手続き、葬儀、納骨、電気や水道など各種契約の解約、遺品整理といったさまざまな死後事務を、生前に結んだ契約に従って行います。
 いずれも以前ならあまり考えることもなく、家族に任せておけば安心という人が多かった事柄です。でも、単身世帯の増加、つまり「おひとり様」が増えるなど家族の形や機能が大きく変わったいま、こうした事業は社会的に不可欠になっています。
 日本では1993年、NPO法人「りすシステム」(発足時はNPO制度がなく株式会社)が始めたのが嚆矢です。国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)に、りすシステムの契約書などが展示されているほど当時は先駆的、画期的な事業でした。
 実は、りすシステムの母体となったのは前回の文中で触れた共同墓「もやいの碑」です。「墓の心配はなくなった。でも、自分で墓に入るわけにはいかない。どうすれば?」という利用者の声が発端でした。相互扶助的な側面があり、一種の「集活」的な意義があったと思います。
 しかし、いまさまざまな事業者が参入し、様相が変わりました。残念な事態も起きています。2016年には「日本ライフ協会」という公益財団法人が、利用者から預かったお金を使い込んで破綻する事件が起きました。20211月には名古屋地裁岡崎支部で、身元保証契約時に虚偽の説明をして利用者の死後に事業者が全財産の贈与を受ける内容の「死因贈与契約」を交わしたとして「公序良俗に反する契約で無効」という判決が出ました(その後、事業者が控訴)。
 不安に思われるかもしれませんが、どんな業界とも同じように、さまざまな事業者があるということです。いまの時代に不可欠な事業なのですが、残念ながら監督官庁もなく、事業者の規模も事業内容も費用体系もまちまちです。もし利用をお考えなら、くれぐれも注意したうえで業者を選定、契約していただきたいと思います。
 国は2018年、事業者選定の注意点などをまとめたパンフレットを作成しています(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_018/pdf/caution_018_180905_0001.pdf)。参考にしてください。信頼できる事業者に出会えば、老後の不安の一部は解消できるはずです。

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