センターニュース

お待たせいたしました。

今年1月5日に締め切りました「ゆいごん川柳」の選考が終了いたしました。申し込み総数10,724作品、いずれも力作揃いの中から、日本財団が全日本川柳協会のご協力を得て選考させていただきました。たくさんのご応募をいただきまして、本当にありがとうございました。栄えある大賞1作品、入賞3作品、佳作6作品と、それぞれの作品への、全日本川柳協会様からの講評を発表させていただきます。

大賞 あわてずに ゆっくり来いと 妻に宛     

茶唄鼓/ちゃかどん さん      広島県  

(講評)自分の死期を予測し遺言を書いたのでしょう。黄泉から妻に呼びかけているような作品です。ゆっくりだから僕が亡くなっても「長生きしてほしい」との思いやりが感じられる。このような遺言は珍しいです。お金や財産、資産についての遺言が多い中で、妻だけに送る人間愛が感じられる作品です。ひと味違った遺言だと思います。

入賞 下書きを 妻に見つかり 書き直す

本間 奏 さん  兵庫県 

(講評)遺言は誰もいないところで書くもの。どんな理由かわかりませんが、妻にその下書きが見つかった。慌てて書き直したところを見ると、文の中身はさぞかし妻にとって満足なものではなかったのでしょう。

入賞 遺言の父の癖字が愛おしい

イナバウアーの白兎 さん  千葉県

(講評)遺言を見て、父さんの癖字だとありありとわかる文字でした。思わず愛おしさが溢れてきたのでしょう。左肩上がりや丸字などその人の癖は直らないそう。これは確かに本人の書いたものだとの証しにもなります。

入賞 遺言を 書いた私が 生き残り

伊藤 進 さん 山形県

(講評)遺言は先に逝く人が残る人に書き残すものです。その遺言を書いた人が生き残った。逆の状態となったケース。このような状態はあまりないと思いますが、こんな例もあるということかもしれません。

佳作 遺言に 無口な父の こころ知る

西 みなみ さん 神奈川県 

(講評)普段あまりしゃべらない父はどんなに残った人々を思っていたのかを遺言で初めて知った。なるほど、そんなことを考えていたのかと驚くばかり。人の心の中は案外わからぬものらしいです。

佳作 ゆいごんで初めて知った親心

シャイン・マスカット さん     山梨県 

(講評)厳しかった故人も家族の人たちに心を配っていたことが初めてわかった。その親心は想像もつきません。子を思う親はちゃんと日々の行動とか、親に対する態度を見抜いているものでしょう。

佳作 五輪見て 万博行って から書くよ

となみ  さん 埼玉県 

(講評)2020オリンピック、そして2027の万博を見ないと遺言は書けないなんて、まだまだ元気な証拠です。日本で行われる国際的な催し、若い時分に見たものと今度行われるものを比較してみたい、そんな好奇心旺盛な作品です。

佳作 遺産分けケンカするなら寄付するぞ

髙木 直子 さん 東京都

(講評)当然、遺産分けはみんなが満足するものではありませんが、それによって遺産分けの内容が我が身可愛さで関係者の争いごとになるのだったらなおのこと。遺言には遺産を渡さずに寄付するぞと強い言葉が書いてありました。これは戒めの作品とも言えるでしょう。

佳作 遺言を書いて自分の本音知る

ひよどり さん 北海道

(講評)いざ遺言を書くとなると、いろんなことを考えます。書いてみると自分の本音が出てきます。この本音は、自分でも思いもよらないことだったり、情けのかけ方が予想もできない熱の入れ方だったりして、遺言を書くことで自分の本音を知ることになるのです。

佳作 少しだけ我が儘入れて夢託す

月日備人 さん 神奈川県

(講評)遺言には書いた人の考え方が含まれるのは当然です。残された人々にいくつか希望を託すものになりました。親から残された人々に自分の意思や自分が達成できなかったことを「こうして欲しい」という願いを込めて遺言として書き残す。心の機微を捉えた作品です。

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以上です。

拝見していますと、心にふと温かさを感じたり、にやりとさせられたり、どの方の作品もユーモアがあり、はっとさせられることもあり、遺贈寄付サポートセンタースタッフをはじめ日本財団職員も、選考を楽しませていただきました。

また、大賞・入賞に選ばれた4作品は、2019年3月4日より期間限定で、東京・名古屋・大阪の3都市の三省堂書店、紀伊國屋書店、リブロ各店舗にて、書店しおりとして配布されます。

どうぞ宜しくお願いいたします。

日本財団遺贈寄付サポートセンター

木下

2019年02月28日

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