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対談:老後を楽しく生きるヒント

少子化や核家族化で、家族からのサポートを受けられない高齢者が増えています。
こうした高齢者の日常生活を支えるサービスや、葬儀や死後の対応を行っている、特定非営利活動法人りすシステムの代表理事、杉山歩さんをお招きし、その現状についてのお話とともに、楽しく生きるヒントをうかがいました。

これまで、療養看護や、看取り、葬儀などは家族の役割でしたが、子どもがいない家庭や、家族がいてもサポートが受けられない、受けたくない、といった方々が増えてきました。そうした高齢者の方から「お墓は用意したが、私の葬儀と納骨は誰に頼めばいいのか」というご相談を受けたことをきっかけに、「家族の役割」を引き受ける必要を感じ、20年前に活動を開始しました。
現在は、葬儀や納骨から、会葬者への返礼、家の片付け、各種解約手続き、ペットの処遇など、お亡くなりになった後に必要となる様々な仕事をお手伝いさせていただいています。
20年前といえば、死について語ることはまだまだタブーでした。がんの告知もしない時代だったわけですから。そうした中で、一番大変なところを杉山さんたちが風穴を開けていったわけですね。
葬儀といえば、普段はちっとも家に寄り付かなかった家族が、最期が近くなると急に出てきて、あれやこれやと口を出してくる。ご本人の気持ちとは関係なく、正義の味方のようなつもりで親切を押しつけてくる例をたくさん見てきました。
親不幸な子どもほど、葬儀だけは豪華にやろうとしたりする(笑)。
本当にそうですね(笑)。りすシステムではご本人の意思がきちんと実行されるために「生前契約」という契約を結ばせていただき、そこにご本人の希望を書いていただいているんです。
なるほど。私も15年ほど前からエンディングノートを書いていて、毎年元旦に見直しているんです。自分の葬式の司会と挨拶は、テープにとっておいて自分でやりたいと思っているんです。「皆さま、私の葬儀は家族だけでやらせてください、と申していたにもかかわらず、浮世の義理でこんなにお集まりいただいて、誠にありがとうございます」と始めようと思っていまして(笑)。
そして一曲歌を歌って、「それでは皆さん、さようなら」で締めよう、と。それで、皆さまには笑って帰っていただこうと思っています。
動画にしてもいいですね(笑)。
日本財団では、これまで特別養護老人ホームの個室化を推進したり、在宅生活を支援するための福祉車両を整備したりしてきました。また、自宅で亡くなりたいと思う人が圧倒的に多いにもかかわらず、実際にはほとんどの方が病院で亡くならざるを得ない状況を変えようと、地域の民家を改装し、家にいるのと同じように自由に暮らしながら、必要な介護や看取りをひきうけるホームホスピスの普及にも力を入れています。りすシステムでは生前から終末期にかけてのサービスにはどのようなものがありますか。
入院や老人ホームへ入る際の保証や、急病時のサポート、買い物への同行や、日常の話し相手まで、本人の希望に応じてきめ細かく対応しています。特に、認知症で判断能力をなくしてしまった時のことを、事前に考えておいていただくことが大事なのですが、その作業自体が、人生を考え直す良いきっかけになっているようです。
死ぬ事を考えることは、より良く生きることを考えることだと言いますが、死が生活から遠くなりすぎて、誰にでも確実に訪れる死なのに、考えない人が多くなっていますからね。
東日本大震災をきっかけに寄付に対する意識が高まり、日本における「寄付元年」と言われるようになりました。高齢者の方にも寄付に対する意識の変化などはありますでしょうか。
社会貢献に注目されている方は、確実に増えています。一方で役に立ちたいけれど、やり方がわからないとおっしゃられる方も多いです。
以前、「退職の記念に何か社会に役立つことをしたい」と200万円をご寄付くださった老夫婦がいらっしゃいました。いくつかプロジェクトを紹介させていただきましたが、開発途上国の学校建設を選ばれ、ベトナムに小学校を建設しました。この老夫婦は、完成したベトナムの小学校にも訪問され、自分の学校の子どもたちの成長を見守ることが、新しい生きがいになったと喜んでいました。
寄付をきっかけに、老後の生活に新しい楽しみを得られるのは素晴らしいことですね。自分に最適なプロジェクトを提案してもらえる日本財団の仕組みは、とても魅力的です。一方で、多くの方は、「目の前の生活が心配」と、生きている間は寄付に踏み切れないけれど、死後に残った財産があれば、社会に役立ててほしいと思っている方は、たくさんいらっしゃいます。

日本財団に、りすシステムの会員様から1億5千万円をご遺贈いただきました。遺言書には、「世界の貧しい子どもたちのために使ってください」という言葉が書きとめられていました。私たちは、この故人の遺志を実現するために、何度も話し合いを重ね、親日国の中で最貧国であるミャンマーにおいて、親にも棄てられた障害児のための施設をつくることにしました。今後の進捗状況は、逐一報告させていただきます(※施設は2015年11月に完成)。お預かりした遺贈寄付に対して、日本財団は亡くなられた方への感謝と、会計の透明性、報告の義務を果たさなければなりません。

この10数年の間、利用者のご希望で、様々な団体へのご寄付を預かり、お渡ししてきました。しかし、寄付をお渡しした後に、「このように活用しました」というお知らせや結果を、私たちは受けたことがありませんでした。会員の気持ちをカタチにしていただき感謝いたします。
こちらこそご報告ができて、嬉しく思います。ここで、多くの高齢者を支えてこられた杉山さんに、老後を楽しく生きるヒントを教えていただきたいと思います。
自分の意志を持ち続けること、夢を持ち続けることが大切だと思います。
寄付や遺贈により、新しい生きがいを持ったり、自分の生きた証を社会に残したりすることが、孤独になりがちな高齢者の生活と一般社会をつなぐ架け橋になるのではないでしょうか。
日本財団では、その方に合った、寄付の最良の活用方法のご相談をいつでも受け付け、老後の生きがいづくりをご提案させていただきます。本日はありがとうございました。

2016年03月30日

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日本財団 遺贈寄付サポートセンター
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